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タイヤ パンク修理の歴史

今日はチューブレスタイヤのパンク修理の歴史についてお話ししたいと思います。

チューブレスタイヤは戦後間もない1947年にアメリカのBFグッドリッチ社が発表して生産が始まりました。
国産第一号は日本ダンロップ護謨(現住友ゴム工業)が1954年に生産を開始したとされています。
チューブ入りタイヤとチューブレス(チューブ無し)タイヤの違いはタイヤの知識タイヤの構造に書いていますので参照してください。

最初は輸入車とラビットというスクーターにしか装着されていませんでしたが1960年代後半頃から急速に国産車にチューブレスタイヤが装着され始めました。まだ半世紀前くらいのことですね。

それまではチューブの傷穴部分にパッチというものをゴムのりで貼りつけるだけで大丈夫(厳密に言うとタイヤの傷も補修しないといけません)だったので、現場ではかなり混乱していたと聞きます。
何でチューブが入ってないの?俺のチューブはどこにやった?怖いからチューブを入れて!と…

今となっては笑い話ですね。

そんな時代からのチューブレスタイヤのパンク修理方法の歴史を書きとめたいと思います。

引掛け式(古チューブ)

チューブレスタイヤが日本国内で使用され始めた頃(1960年代後半)には、まだちゃんとした修理方法と材料が普及しておらず、取り敢えずはエアー漏れを止めるということで古くなって使えなくなったタイヤチューブを10MM幅くらいに裁断したものにゴムのりを塗布してドライバーなどの先端で二つ折りに押しこむことでエアー漏れを止めていました。

当然ながら、時間が経てばエアー漏れが発生していたことは言うまでもないと思います。

 

引掛け式(細いひも)

$タイヤ安全のブログ-ひも式工具

古チューブに代わって細い紐状に編んだ繊維にゴム質のものを染みこませたものがありました。

先端がパンツのゴムひも通しのような工具(図参照)にその紐状の部修材を通してパンクの傷穴に差し込み、ぐるぐるネジってタイヤ内部で部修材を団子状にすることでエアー漏れを止める方法です。

時間が経てば部修材が劣化し、エアー漏れを起こしますので使われなくなりました。

 

ガン式(エアータイプ・手動タイプ)

タイヤ安全のブログ-ガン式

キノコ状のゴム製部修材(図参照)を予め工具内に装填し、エアーまたは手動でピストンを動かすことで、パイプ先端に部修材の傘状の部分が飛び出るまでパイプ内に圧入します。
傘状の部分がタイヤ内部に引っかかることでパイプを抜くと傷穴に部修材が残ります。
機能的なかっこよさから当時はかなり使用されていたが、次のような事から使用されなくなった。

①パイプを挿入する時に先端につける円錐状の樹脂製チップがタイヤ内部に残留し、チューブレスタイヤのチューブ層にあたるインナーライナーを傷つけることでエアー漏れの原因になる。
②部修材を圧入する時にかなり伸びきった状態で傷穴に残るため、修理後の走行時の振動により、部修材が収縮することでタイヤ内部に落ち込み急激なエアー漏れを起こす状況が多発し、最悪の場合は事故にもなりかねない状況になる。
③部修材の傘状部分がいたずらに傷穴を一時的に覆ってしまい、エアー漏れを一時的に止めてしまうため、走行時の傘部分の振動でエアー漏れが徐々に進行し、タイヤ空気圧の低下を招き、最悪の場合はタイヤバースト(破裂)の危険性がある。

 

引掛け式(棒状ゴム・平型ゴム・亀甲型ゴム)

$タイヤ安全のブログ-他社引っ掛け工具タイヤ安全のブログ-テック引っ掛け工具

ゴム製の部修材で引っ掛け工具の先端に二つ折りにしてパンクの傷穴に直接挿入するものです。
写真のように各社からいろんな形の部修材が発売されました。
挿入時に傷穴に引っかかって挿入できないため、傷穴をわざわざ大きく成形しなければなりません。
またスチールラジアルタイヤの普及により、さらに挿入が困難になったため、写真のような部修材を無理やり引き伸ばして細くして挿入する工具まで考えられました。
何れにせよ部修材を直接に傷穴に挿入するため、部修材が傷つき挿入途中で切れてしまうことで作業性が非常に悪く、また伸びきった状態で傷穴に残留するため、走行時の部修材の収縮によりエアー漏れの再発は免れませんでした。

今までも何度かお話ししてきましたが、これまでのチューブレスタイヤのパンク修理方法の歴史はタイヤの安全基準を全く考慮しておらず、単にエアー漏れを止めることだけを考えて移り変わってきたものと考えられます。
現在行われているチューブレスタイヤのパンク修理方法の中にも、同じくタイヤの安全基準を無視したものが見受けられることも事実です。

以上のことから、万が一タイヤがパンクをしてしまったときには、信頼のおけるタイヤ取扱店で安全を考慮したタイヤのパンク修理を施してもらうこと必要であるということです。